九大祭と同日、大橋キャンパスでは「芸工祭」が行われる。これは芸術工学部独自のイベントで、一般的な学園祭(あるいは高校の文化祭)とは

○7つの大きな企画が中心で、それらは毎年受け継がれてきている

○芸術工学部の学生のほとんどがどれかの企画に所属している

○実行委員会も「7つの企画」の一つで、統括というよりは調整役である

といった点で大きく異なっている。今回本誌では7つの企画の代表に取材して、これらすべてを紹介する。

 ぶっちゃけ、オープンキャンパスより芸術工学部とはどんなところかがはっきりわかるイベントなので、芸術工学部にちょっとでも興味のある人はぜひ足を運んで体感してほしい。


 

前夜祭

 芸工祭の前日の20日(金)にライブパフォーマンスを行う。ステージ、美術、照明、サウンドエフェクトなど全てを学生が作る。もちろん演奏も。

 今年のテーマは「NOW」。

代表・嶋田大暉くん談

「自分が美術班だからだけど、舞台の装飾も見てほしい」
 

CBA  Project

 ファッションショーであるが、それに視覚や音響などを取り入れていかに面白くするかがこの企画のおもしろさ、とのこと。音楽、照明、舞台、美術、演出、モデル、もちろんすべて学生でやっている。モデルには他学部の学生も加わっているとか。

代表・坂口寛明くん談

「高校生には2研とCBAが最も入りやすい企画なので、土曜日にぜひ!」
 

DANPA

 多次元ホールをクラブホールにする企画。ガンガン音楽をかけて、ライトを回して、DJもして、ダンスサークルとコラボして踊る。代表はDJをしたくてこの企画に入ったらしい。

 美術、映像も見どころで、例年に増してひねりを入れているとのこと。

代表・石田暁基くん談

「親と来る人は正統派の2研へ。単独行動で芸工の核心を知りたかったら、DANPAへもぐりこんでみて。」
 

5研(実行委員会)

 当日のテント管理やごみの処理、学祭企画の施設使用の管理など、裏から芸工祭を支える。フライパンと呼ばれるスペースでのライブの企画も行う。

 ここで紹介するのもなんだが、芸工祭のテーマは「Re:」。旧九州芸術工科大が九大と合併してから12年→時計も12で一区切り、ということで、これまでを振り返っての企画も用意されている。

実行委員長・野海潤くん談

「どれも芸工ならではの企画です。他の6企画もしっかりみてほしい。」
 

2研企画

 他企画の代表からも「正統派」といわれ、OBにも「2研あってこその芸工」といわれる存在。多次元ホールの空間をすべて使い、2階部分や階段部分も含めた空間全体のデザインをする。多次元ホールの企画の中でこれだけは期間中ずっとみることができる。

 テーマは「オノマトピア」。日本語の曖昧さやその面白さを伝えていきたいと考えている。

代表・武末慎さん談

「今年は動きにリアクションしてくれるような展示物も力を入れてみた。」
 

噴水企画

 噴水の周りに舞台を組み、演劇をベースに映像、音楽、照明などを駆使してパフォーマンスをする。というと他と同じくかっこいい系に見えるが、実はお客さんを笑わせることを目指している。衣装のデザインや着方にも工夫をこらしているとのこと。今年のテーマは「火星と仕事」で火星のオフィスが舞台というが、どんな話なのか。
 

火祭

 芸工祭といえば火祭、と思っている人も多い有名企画で、祭の最後を飾るイベント。最終日の夜、約4mのやぐらを組み、最大10mの火柱が立ちのぼる。そしてそれを囲んで「ソーイ」と言いながらひたすら踊る。「一緒に踊った高校生は合格する」という言い伝えは今作ったが(どこが言い伝えだ)、一緒に踊ると芸工生との一体感は味わえるはず。

代表・田中惇稀くん談

「高校生で叫びたい人もぜひ!」

 11月21日(土)・22日(日)、九州大学伊都キャンパスで一年に一度のビッグイベント「九大祭」が開催される。

 本誌編集部では、実行委員会および面白そうな企画に取材を敢行し、「これぞ大学生の本気!」というイチオシ(ただし基準は完全に独断と偏見)企画をピックアップして紹介する。




鉄道趣味の世界へ

 「鉄研名物! 5m×5mの鉄道ジオラマ」って聞いて、どう思いました? 「……大きい、の?」みたいな感じなんじゃないでしょうか。

 いやしかしね、5m×5mって、デカいよ? 面積を換算すると、15畳以上になる。15畳というと……そうだな、大きめの家のリビング埋まるぞ。

 その中を鉄道模型が走り回るという光景を思い浮かべてほしい。どうです? デカいでしょ? しかも、普通、鉄道ジオラマは規格サイズの(「Nゲージ」とか)市販パーツで組み立てるのだが、自作の駅の模型を入れようとして、ゆがみを出さないために三角関数を駆使した計算が必要になったこともあるという、凝りようである。

 他には部員が撮った鉄道写真の展示などもあるが、やはり編集部のオススメは部誌「鉄路」の販売である。これがねー、部員自らが売るときに「マニアックすぎるけどいいですか?」と聞くほどマニアックな代物なのだが、その突き抜けっぷりが素晴らしいのである。鉄道趣味はある程度動かないとできないものとはいえ、とにかく行動、とばかりに動き回って取材して書いてるところがまた読み手を引きつける。

 マニアックというとあんまり動かず情報収集、みたいなイメージがあるなか、この方向性は貴重だ。鉄道趣味がある人には何よりのオススメである。これはディープだぞ。



πZONE

 パイ投げをしてみたいけど、あるいはストレス解消したいけど、準備とか始末とかめんどくさそうだからやったことはない、とか、本物のパイだと食べ物を粗末にしているようでイヤだ、というあなたに、コールアカデミーがやっているパイ投げ・πZONE。

 ちなみに、コールアカデミーというのは聞き慣れないかもしれないが、男声合唱部のことである。歴史のとても長い部であるが、このパイ投げ企画の歴史も長い。なんと40年も続いている人気企画である。実際、毎年数千枚のパイが飛ぶ。投げられるのはコールアカデミーでの部員で、一人あたりなんと二百枚ぶつけられるそうである。昨年まで三年連続でテント企画の最優秀賞に輝いている。

 ところで、気になるパイの中身だが、間違っても本物のクリームとパイ生地ではない。ちゃんとニセモノを作っている(でも結構本物っぽいのが魅力)。
 


HEROS

 お祭りの定番といえば射的である(異論は認める。だってイカ焼きとか金魚すくいとかあるし。)

 ……ということは、この企画、射的なの? と思うであろうが、タダの射的なら本誌は載せん。つまり、これは「タダ者ではない射的」なのである。

 何がかというと、武器とマトである。

 たとえば、「スパイダーショット」。手に取り付けて、ご存知スパイダーマンの糸を放つ動作で発射される。他にも直径約10 cm×長さ約60 cmのバズーカ型「黒筒」など、よそにはきっとない、工夫をこらしまくった(ある意味理系の悪ノリ的な)武器が満載である。

 さらにマトの方では、等身大の怪人(型のマト)がある。命中すると……ここから先は書かんとこ。射ってみてのお楽しみである。他にもギミック満載のマトがある。……ま、普通のマト(お菓子)もあるのだが、それには目もくれず、開発陣が毎日深夜3時まで奮闘して作ったというこれらのギミックマトを射ちまくっていただきたい。

 なんでこんなに凝りまくったことになっているかというと、「子どもがヒーローになりきれる空間」をコンセプトにストーリーや世界観を作りこんでいるからである(これも行ってみてのお楽しみ)が、しかし、……これはきっと子どもより大人の方がハマるぞ。

HEROSのFacebookページ https://www.facebook.com/beans.engineering/



リアル謎解きゲーム

 リアル脱出ゲームである。

 インターネットゲームでいくつも脱出ゲームってあるでしょ? あれのリアル版を作っちゃったのである。しかしながら、本誌が書くということはそれだけではないのである。世界観、つまりどんな場所で、どんな理由でここに閉じ込められてしまって……といった設定の作り込みが群を抜いているのだ。スタッフは「演劇をしているようだ」と言うし、それをふまえて「リアル謎解きゲーム=総合芸術+頭脳=新ジャンル」であると豪語する。

 ま、口だけだと仕方ないのであるが、昨年教室企画最優秀賞に輝く名企画の二年目である。ぜひ足を運んでほしい。

 なお、気になる脱出成功率のほうは、昨年は10〜20%の見込みで作って、なんと5%だったそうである。

 読者の皆様の脱出成功を祈ります。

九大謎解き企画Questのtwitter https://twitter.com/Nazo_Quest

 

実行委員会企画

 コンセプトと違うかもだけど、実行委員会企画からもピックアップ。

●ゴー☆ジャスのお笑いライブ

 22日18時15分からメインステージで。

 撮影OK。ゴー☆ジャスが「シャッターチャンス」と言ってくれることも。

●特別講義

 九大の先生の特別講義。いくつかあるので、詳細は九大祭のHPで。



九大生が自分の学部・学科がどんなところか本音で語ります。最初となる今回のゲストは人気の工学部機械航空工学科の学生3人。では、どうぞ。


プロフィール(名前は仮名)

大川 3年生。真面目系を地で行く男子。QREC(九大にあるビジネススクールみたいなの)にも出没中。

松本 3年生。チャラそうな雰囲気イケメン。料理にハマって道を踏み外す。

神田 4年生。数少ない工学部女子の一人。来年度はK大大学院に進学。


機械航空工学科の雰囲気

——まず最初に、学科の雰囲気とか、どんな人がいるか、というのを聞かせてください。

大川 ……オタク。

神田 あ、でも、オタクって言っても自動車オタクとか飛行機オタクとかもけっこう多い。

神田 軍事に詳しい人も多いよね。

松本 オタクかわかんないですけど、一人になりたがる人が多い。話しかけるなオーラを出してるんですよ。

——クラスに何人くらい?

松本 3分の1くらいは……

神田 え、そんなに? ウソでしょ。

大川 なんか。そう。いや、多いと思う。ふだん(教室の)真ん中にいる結構だまっている人たちが、話を振るとめちゃくちゃしゃべるっていう。

神田 わかるわかる。好きな話題振ったらめちゃめちゃしゃべる。

松本 おれのオタクのイメージはラブライブとかAKBとかのイメージだったんだけど。そうじゃなくて、戦車とかのオタクが多い。

神田 そっちは喋る子が多いけど、アニメ系はしゃべらない子が多いから。

(しゃべりたいときは)仲間内でしゃべってるんじゃない?

大川 クラスっていう単位と、サークルっていう単位があるから、クラスで別にしゃべんなくても、っていう。

神田 わたしも漫研でそういうの全部しゃべるし。

——クラスの一体感はあんまりない?

三人 ない。

神田 クラス単位で授業は受けるけど、一緒の教室にいるだけ。

——一人でも生きていける?

神田 全然(問題ない)。一人で居ることに寛容な学科だよ。まあ、女の子はみんな仲いいけど。

松本 そうですか? ぼくらの学年では、いま女子5人が2人・3人に分かれてるんですよ。

神田 え、ないよ。そんな。

——学年によるんですかね。

大川 たぶん?


機械航空工学科と勉強

——授業のこととか勉強のことを聞きたいんですけど。みんな授業は出てるんですか?

神田 めちゃめちゃ行ってますよ。毎日遅刻せず行ってましたよ。

大川 わりと来てる。機械航空は真面目なので。わりと(成績が)上のほうで今までやってきた人が多いから、ちゃんと出席しないといけないっていう意識が頭の中にあるんで。

神田 たまに「授業の内容わかってるんだったら出席しなくてもいいよ」、っていう先生もいるんだけど、そういう(先生の)授業でもわりと出てるよね。

大川 わりと勉強しようという気持ちで来てる人が多いですよね。

——じゃあ逆にこれまで(成績が)上でやってきた人が挫折感とか屈辱感みたいなので、学校に来なくなるとかいう心配はあんまりしなくていい?

松本 そういう人が実際にいたのは見たことがない。

神田 勝手にさぼって勝手に落ちぶれていく子はいるけど。

松本 あと、ただ休んでて落ちぶれるんじゃなくて、休み方がうまい人が多いイメージがあります。

神田 あー確かに。要領がいい感じ。

——大学に入って勉強するなかで、高校生のときにちゃんとやっておけばよかった、という科目はありますか。

神田 物理。

大川 やってないとまずいですよね。

松本 あと英語。

——英語は何に使うんですか?

松本 論文読むのと、あと留学生としゃべるのに。

神田 それから数学。とくに数III。数学できないせいで物理系の科目ができなくなるとしんどい。


イメージとギャップ

松本 ちょっと真面目な話ですけど、小学校のときからずっとものづくりが好きな人とか——たとえば「わくわくさん」とか、「ピタゴラスイッチ」とか好きな人——がずっとイメージしてるの(機械航空工学科のイメージ)って、目の前で小さい物体や機械が完成するのがあると思うんですよ。

 でも、大学ではもっと根本的なところからやっていかないといけない。そのうえで、最終的にはものづくりがあるんですけど、でも基礎的な勉強をある程度我慢してやらないといけないってことは言っておきたいです。もちろん自分が最初に求めたものづくりをするためには必要なことなんですけど。

——実際にものを動かしたり作ったりが最初からあるわけではないと。

松本 そう。ではないよ、ということを知って、それでももっとやりたいことがあるんだったら、じゃあ来たほうがいいよ、って言いたいです。

神田 「飛行機に興味あるから来たけど、やりたいことはこれとは違う」っていって結局操縦士になりに航空大に行っちゃった子もいますし。

——じゃあ単に興味があるからっていうだけでは……

松本 どんな研究室があるのかまで考えた上で、道を選んだほうが……

大川 それなんですけど、ぼくは逆にそこは融通がきくのかな、って。いろんな人の話聞いてると、進路の選択先がわりと多いのもあるし。

〈続く〉

 

気になる学生生活や恋愛トークは次号にて。ペーパー版では11月27日発行号掲載予定。
Web版では、11月30日公開予定。
待っててね。