こんにちは、副編集長のF澤です。

 

今回から、新企画「フィンランド実習記」をお送りします。

 

編集部のA澤が、フィンランドへ。

彼が見たもの、聞いたもの、感じたものを綴ります。

 


 


 これは大学三年生の僕が、フィンランドに行ってきた話をつれづれなるままに書き起こしたお話です。


二月十六日

 眠れない。
あと五時間で飛行機。深夜一時。
結局旅に出る時はいつも、直前にスーツケースを引っ張り出してきて荷物をつめることになる。

話によるとフィンランドは寒いらしい。去年は膝まで雪が積もってるところもあったとか?
「地球の歩き方」というガイドブックを開いてみると、二月の平均気温は最低マイナス10℃と脅し文句のように書かれている。
新調したセーターを行儀よくたたんでかばんにしまい、雪で滑らぬよう足裏がスタッドレスタイヤのようになったブーツを箱から出して玄関に並べた。

少しだけでも目をつむっておこう。
寝坊しませんように。

机の上の目覚まし時計をセットし、iPhoneのタイマーを五重にかけて眠りについた。

 この冬、僕はフィンランドに一週間ほど行ってきた。
所属は工学部なのだけど、この半年間、土日に大橋キャンパスで開講されるデザインの授業に参加してきた。
専攻以外のことも学べるのは、いかにも大学生っぽい感じでしょ?
もちろん機械航空(工学科)の中では少数派だけれども。

他のメンバーも僕と同様、芸術工学や理学などそれぞれ自分の専攻分野をもっていて、その上で履修していた。
年齢層もばらばら。大学院生と学部生が半々くらいで二十人のクラス。

授業では日本の「少子高齢化」についてフィンランドから先生を迎えてワークショップを行い、四つのグループで二〇四〇年の日本がどのようなユートピアを形作るべきか考えてきた。
もちろん、授業は全編英語。その最後のプレゼンテーションを、ヘルシンキにあるアールト大学で行うというカリキュラムだ。

 明朝、福岡から成田に飛んで、そこからヘルシンキまで。


二月十七日

 目覚ましよりも先に目が覚めた。朝五時。

カーテンを開けると、まだ黄色い街灯が夜道を照らしている。
支度を済ませてアパートの鍵を閉めた僕は、街を起こさないように静かに駅に向かった。

✈福岡空港→成田空港

             (つづく)
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